お知らせ

過去のサポート事例 「いじめ」

もう10数年前のことです。
中学生の男の子が入塾してきました。

その子は特に変わったところもなく、模範的な生徒でした。
ただ、かなり苛烈ないじめに遭っているようでした。

よくあるお話ですが、標的になった理由は恐らく「いじめのターゲットが必要だったから」。
何かをきっかけに、攻撃しても反撃してこなさそうな、「安全なサンドバッグ」として選ばれてしまった様子です。
我々から見ても、彼がいじめに遭う理由は見当たりませんでした。
もちろん、仮に理由があってもいじめは肯定されません。

容姿や行動などに対する誹謗中傷、無視などがいじめの主な内容でした。
具体的には書けませんが、度を超えたものだったようです。

いじめに加担していない周囲の生徒も、「面倒なので関わりたくない」という姿勢で遠巻きに見ていたそうです。
実際の証言として、「助けたくても助けられない」ではなく「別に気にしていない」というお話をよく耳にしました。
孤立無援の中、彼は謂れのない被害にさらされ続けました。
当時の学校の先生方は積極的に動いてくれていましたが、結局彼は学校に行けず、戻ることもできませんでした

彼は支援学校に通いつつ、遅れをカバーするために当塾に通ってくれました。
自分をターゲットにする子たちのいない空間でののびのびとした勉強で、彼は遅れを取り戻すどころか非常に優れた才覚を発揮してくれました。
恐らく、その優秀さこそ彼本来の実力だったのでしょう。
いじめで抑圧されていた能力が表面化し、勉強は順調そのものでした。

また彼は、いじめられながらも心の折れない強い子だったのでしょう。
塾へは積極的に通い、講師に笑顔も見せてくれていました。
取り留めもない雑談と勉強を楽しむ彼は、どこにでもいる明るい男の子の顔を取り戻していました。

彼はその後、地元から少し離れた私立高校に進学しました。
元の中学校のレベルから見ても、進学先として遜色のない偏差値の学校でした。
その後少し経って連絡をくれましたが、彼が本来中学校で手に入れるはずだった友人や学校生活などをようやく手に入れ、青春を謳歌していたようです。

今はもうどこで何をしているか分からない彼ですが、いじめに押し潰されていたら見られなかった景色を見ていること、そして幸せに生きていることを、講師は確信しています。