気が狂うほどの猛暑の中、生徒も講師もなんとかやり切りました。
「世間は夏休みで浮かれているというのに、俺たちは…?」という邪念が生徒の間から浮かんでは消えたような気もしますが、この夏の頑張りはきっと、今後の楽ちん勉強生活の礎となるはずです。
今年の塾生、及び夏期講習を受講してくれた塾外生の皆さんは、なぜだかやたら賢い気がしています。
もともと別の塾様に通っていた子はその塾様で習っていたことをよく覚えていたり、今まで勉強してこなかったはずの子が新しい知識をバンバン吸収したり…
ただ、そんな賢い子たちにも塾なり夏期講習なりを必要としている理由はちゃんとあったように思います。
特徴的な例を挙げると、ある子は、他の生徒が30分程度で済ませてしまう問題量が、1時間かけて半分も済まない状態でした。
様子を見てみると、分からない問題にしがみついてしまい、「一体どうすれば…」と必死に悩み続けている状態でした。
しかし、その子が問題演習を行う際にタイマーで制限時間をつけて見せ、「リミットまでに、解答欄を埋めるのではなく全問1回は”挑戦”して。その結果分からなくて空欄でもOK」と伝えると、時間内にきっちり最後までたどり着いていました。
もちろん空欄もありましたが、その後に模範解答の解説を読んでもらい、それでも分からないところは講師が知識を補填し、やり直しを始めてもらいました。
するとあら不思議、ものすごいスピードで正確な答えを叩き出し、その後さらに渡した類似問題もスムーズに解いてくれていました。
他の「賢いのに勉強に苦労している子」も問題の根は同じで、「分からないことを自分の頭で何とかしようとしている」という特徴がありました。
頭を使う、というのは確かに大切なことです。
ただそれは、人間関係や将来などに向けてのことであり、勉強という「知識の獲得作業」においては、むしろ呪いのように学習者を蝕むことがあります。
例えば、かけ算のやり方は考えて編み出すのではなく、教わって知るものです。
そしてそれを教わった通りに使い込み、自分のものにしていくのです。
勉強は「知らないなら調べる、調べて分からないなら尋ねる」を旨として、分からないものは分からないと認めてテンポよく進めるほうが、きっと効率もいいですしストレスも少ないでしょう。
「1回必死に頑張るよりも、3回テンポよく」「どうすればいいのか、と考えるより、どうするんだったっけ、と思い出す」ぐらいの気軽さで挑めば、今まで大きな壁に感じていたことも、するりと通り抜けられるドアになってくれるかも知れませんよ。